独歩新聞

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独歩新聞 Vol.2009・8月号 独歩の開店一周年を彩る「味の二人会」は、予想を上回る好評のうちに終了。
私どもも幸先良く、2年目へ臨めることとなりました。
そこで皆様のご支持に応えるべく、8月下旬から料理やサービスをグレードアップ。
今まで以上の喜びと驚きを演出してまいります。
さらなる高みを目指して歩み出す、2年目の独歩にご期待ください。

味の二人会レポート

 さる8月5〜8日に行なった、一周年記念イベント「味の二人会」は、予想以上の反響で連日満席。
お出しした料理にも、たいへん多くの賛辞をいただくことができました。
その様子に関するレポートが届きましたので、この場を借りてご紹介させていただきます。

 店に伺ったのは6日午後7時。板場では平野氏、山地氏が陣頭指揮に立ち、店内はいつもに増して緊張感と熱気がみなぎっている。
ワインのセレクトをソムリエに任せて、待つことしばし。いよいよ、平野氏が手がける第一の皿『余市の塩うにと彩菜 八方出汁和え』が運ばれてきた。
これは粒のしっかりした良質の塩うにと、ていねいに下ごしらえした野菜をキリッと締まった八方出汁でまとめあげた品。滋味豊かで切れの良い味わいに、いっそう食欲が沸いてくる。
続いて登場したのは山地氏による『フォワグラ パリの茶碗蒸し』だ。一見デザートのようなこの料理は、口にした途端フワッと溶け出し、フォワグラの濃厚な旨みと香りが広がる。
それを引き立てるのが添えられたイチジク、桃、ナッツなど。
ちなみに、これらの食材はフォワグラとなるガチョウも食べているというから芸が細かい。
3品目は平野氏の『三陸鮑の蕨餅 酢橘の出汁』。絶妙の歯応えに煮上げた鮑を蕨餅で包み、蓴菜、長芋、オクラなどと取り合わせた、食感の万華鏡のような一品だ。
その心地よい歯触りと出汁のさわやかな酸味は、この日の暑さを忘れるにも持ってこいだった。
4品目は『山地スタイル 赤座海老と十一種野菜の蕎麦仕立て』。ごく細く切った野菜のソテーを蕎麦に見立て、上にメキシコのパンの皮で包んだ赤座海老のソテーが載せてある。
それだけで口にすると上品な洋風の味わいだが、添えられたココナッツミルクのたれを付けると、エスニック風の味に一変。2つの味の対比が、なんとも楽しい。
5、6品目を手がけるのは平野氏。『明石鯛と夏野菜の昆布〆 炒り酒のグラニテ』は、梅の風味豊かな炒り酒のシャーベットで極上の鯛の刺身をいただく、凝った趣向だ。
鯛と相性の良い炒り酒が、冷たく凍らせることで一段と鮮烈な印象を残す。まさに発想の妙と言えよう。続く『焼長茄子 だだ茶豆のロワイヤルと揚鱧 銀のあんかけ』は、しっとり焼き上げた長茄子と香ばしく揚げた肉厚の鱧に、濃厚な銀あんがたっぷりかかるリッチな品。だだ茶豆のロワイヤルとともにいただくその味わいには、豊潤の極みを実感した。
これに続いて供されたのは山地氏渾身の焼物だ。『丹後の甘鯛松笠焼 豊かな香り』は、甘鯛を鱗付きのままオイルで香ばしく焼き、松笠のごとく仕上げた品。パリパリした鱗とやさしい旨みをはらんだ身は、そのままでも十分美味だが、添えられたアボカドと一緒に食べると味のボリューム感がひときわ増す。この取り合わせを見いだした慧眼に脱帽だ。一方、見事な茜色に焼き上げられた身の美しさに、まず見惚れたのが『小鳩のロゼ色の熟成ロースト』。低い温度で肉に熟成感を与えながら、身へじっくり火を入れることで、小鳩のならではの繊細な旨みと香りが極限まで引き出されている。焼くという技術の奥深さを示すこの品は、鳩料理の白眉に違いない。
 さてコースも終盤にさしかかり、現れたのは『あぶりご飯 焼鱧と夏レタスのスープがけ』。鶏、昆布、鯛、鱧などの出汁を巧みに組み合わせたスープが、香ばしく焼き目を付けた鱧とご飯にたっぷりかけられている。
その味わいは素晴らしく贅沢で、のど越しはとても軽やか。一緒に出された『香の物変わり』(ちりめん、万願寺、塩昆布、梅胡瓜)とともに、さらさらと胃袋へ納まってしまった。
そして、『フロマージュブランのアイスクリーム バニラ』にバルサミコ酢、苺などが添えられた、粋なデザートを締めくくりに、この珠玉の宴も終了。それにしても、ほとんど言葉も交わさぬまま、以心伝心で連携を取り、これだけの料理をよどみなく供していった平野、山地両氏の並々ならぬ力量には、感服の至りだ。セレクトされたワインも、和洋とりまぜたこのコースに見事なマリアージュを実現。あらゆる面で、食の真髄を堪能できる一夜となった。
「ライター:高島 英治」



フォアグラ パリの茶碗蒸し 三陸 鮑の蕨餅 酢橘の出汁 山地スタイル 赤座海老と十一種の野菜蕎麦仕立
フォアグラ パリの茶碗蒸し 三陸 鮑の蕨餅 酢橘の出汁 山地スタイル 赤座海老と
十一種の野菜蕎麦仕立


独歩からのお知らせ
麻布独歩 店内
懐石コースを一本化して魅力を集約。お酒の提供も新たな趣向で。
8月で独歩も開店一周年。
これを機に私どもは、いっそう魅力的店作りへ乗り出します。

まず料理の面では懐石コースを『五味五感(1万500円)』に一本化。
全神経を集中して、一品一品の内容と組み立てを突き詰めることにしました。
麻布独歩 店内
一方、アラカルトは今まで以上に豊かな季節感を演出。
「好みの品をコースに組み込みたい」などの要望にも、きめ細かくお応えします。

また、酒類はコースメニューの模様替えに合わせて、相性の良い銘柄を用意。
同じ日本酒をいろんな温度で提供する、新たな趣向も始めます。
ぜひ、冷温の差による味わいの変お楽しみください。
これに伴ってホールスタッフも増員。
万全の体制で皆様をお待ちし申げます。



麻布十番納涼祭りの期間中、『鯛飯御膳』を特別価格でご提供。 人気の個室を増設。会員証の提示でルームチャージも無料に。
夏の風物詩「麻布十番納涼祭り(8月21〜23日)」も、もう間近です。
その期間中、独歩では名物の「来島産天然真鯛の鯛飯」に、暑気払いの料理数品を添えた『鯛飯御膳』を用意。
それと併せて、店頭の特設コーナーではグラスシャンパンと軽いおつまみを提供。
営業時間も、祭りを見物しがてら立ち寄っていただける様、15〜21時に変更いたします。
なお、『鯛飯御膳』はこのDMをお送りしている方への謝恩メニューですので、お越しの際は同封の簡易会員証をお持ちください。
多くの皆様から好評の2階個室スペース。
しかし、その人気ゆえ満室になることもしばしばでした。
そこで8月17日からテーブル席の洋室を2つ増設。
和洋合わせて計6室となります。
使い方は接待、宴会はもちろん、4人で静かに酒を酌み交わしたり、冬場に鍋料理を楽しむのもOK。好みに合わせて、幅広くご利用いただけます。
また、このDMをお送りしている方は、同封の簡易会員証をご提示になれば、ルームチャージが無料となりますので、ぜひご活用いただきたく存じます。


* 上記、会員証についての詳細お問い合わせは、
麻布 独歩(TEL 03-6436-0257)まで




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