定番のたれから寿将流だれ、手作りだれなどを一挙ご紹介! ■これさえあればの基本のたれ ■おいしさ格上げの寿将流だれ ■マンネリを打破する鍋物の煮汁&たれ ■野菜をもっと食べたいサラダソース ■もう一品ほしいときの小鉢だれ
今、川がやばい、山もやばい。店の献立を書こうとしても使いたい素材が消えてしまっている。ゴリを佃煮にして茶漬けに・・・と思っても、いいゴリがないんだから諦める。これって川が泥水だらけになって苔がなくなってるから、結局魚もいなくなるってことだよね。さすがの僕も今のこの状態には焦りを覚える。水をきれいにするにはまずは木を植えなきゃって思っているくらい。だから「高級食材が」とか「海外の食材が」とか言ってる場合じゃないやと思う。 ところが都会ではここ数年あまりにもブランド走りが多くって、自分も含め、プロの店に行っても産地名とウンチクを書いた献立になりがちだ。値段が高い店は特にそう。もちろん、おいしいものを食べたいというのはみんな同じだけれど、ブランドや知名度だけにこだわることがそんなにすごいことなんだろうか。 毎日のことを考えたらちょっと違うんじゃないかな。毎日の食卓を充実させることのほうがもっと大事なんじゃないかなと思う。 〜中略〜 ブランドやウンチクにこだわるだけでなく、愛情と思いやりとおいしい工夫をしてほしい。それがあってこそのご飯。毎日のご飯がその人となりを作っていく。 本書「はじめに」より
お助け料理人・平野寿将のレシピシリーズ第1弾は、日本人がいつも口にする「ごはん」がテーマ。いろいろな米を、電気釜や土鍋で炊いて研究し尽くした寿将ならではの秘伝を伝授する極うまごはん。研ぐときの水や研ぎ方でこれほどおいしいごはんが出きるのかと驚くこと間違いなし。 丼物、のっけめし、焼きめし、にぎりめし、粥、雑炊、茶漬け、定食、炊き込みごはん、混ぜごはん、すし・・・。「めし」といっても、多種多様なレシピで、今晩の夕食に悩むことなく、パパッと作れて美味しい。日本料理の鬼才・平野寿将ならではのプロの技が光る一冊!
先日イタリアに行ったとき、何人もの人が僕に言った。「うちのマンマのパスタソースはうまいんだよ。」イタリアってマンマ(お母さん)が家族の食の部分を絶対的に担っているから、多少味が濃くても不細工でも全然OK、家族に対する気持ちが入っているからおいしいものが作れるんだ。僕も同じ。僕は料理人だから母親より数段腕はいい。でも、母親の作った料理を食べるとやっぱり「うまい〜」と思うし、ホッとする。僕のために一生懸命作ってくれるから、よけいおいしく感じる。 〜中略〜 ひとつつけ加えれば、食べ方、食べさせ方も上手になってほしいな。よくご主人だけが先にむしゃむしゃ食べている光景ってあるじゃない?あれ、信じられない。僕はおいしく食べるし、おいしく食べさせるやり方を知っているつもり。まず自分から食べない。先に相手の分をよそう。そしておいしそうに食べている顔を見るんだ。実は僕はご飯を食べている姿だけでモテる自信があるよ。今、若いお母さん方もこれをやってくれたら、子供が大きくなったらきっと同じようにするだろうし、モテる子になるよ。 料理って「誰かのために」だと思う。イタリアの家庭を真似するわけじゃないけれど、みんないいマンマになって「うちのご飯が1番」と言われるようになってほしいと思う。 本書「はじめに」より
「お助け料理人」、このコーナーで僕が教える料理とはずばりご飯が欲しくなる寿将の家庭料理。使う素材と調味料は、北から南までどんな小さな町のスーパーでも必ず手に入るものと決めている。たとえば、日本料理をベースに、世界の料理をアレンジする時でも、調味料は塩、醤油、味噌を使う。オリーブオイル、チーズなどはめったに使わない。料理に興味を持ち始めた人から、家庭料理のベテランの70才、80才のおばあちゃんまでもが作ってみたいと思う料理。 この前、沖縄に行った時、いろんな世代の女性から声をかけられた。いつもこの番組を見て、その夜には必ず作るようにしている、と。すごく嬉しかった。沖縄って、かなり自分たちの食文化が確立されている土地柄、僕の料理は分かりやすいし、材料も手に入るものばかりなので、自分たちにもつくれると感じるらしい。あと、よく聞く声は、1ヶ月で米を買う回数が増えたらしい。その分、余分な食材を買わないですむので、食費が安く上がる、って---。最近ご飯離れが進んでいる、っていうけれど、僕はそんなことはないと思う。それより、ご飯が欲しくなるおかずが作れてないんじゃない?腹がグーッと鳴るような香り、醤油色がてかてか光っているような煮物、家庭の中での料理はこれに尽きる。 本書「はじめに」より